2019年09月04日

本の紹介「秋吉敏子と渡辺貞夫」

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 読売新聞編集委員で音楽ライターの西田 浩氏の著作です。

 ジャズピアノの秋吉敏子さんとナベサダことサックス奏者の

渡辺貞夫氏の評伝です。

 1929年生まれの秋吉敏子、1933年生まれの渡辺貞夫。それぞ

れの人生を度重なる取材やインタビューでまとめていらっしゃ

います。

 渡辺貞夫は1951年に「ジャフロ」というバンドを結成し、横

浜・馬車道の「ハーレム」という進駐軍クラブに出演するよう

になった。そこで、秋吉敏子との出会いを果たしたそうです。

 二人とも若いときにアメリカ留学をしたのだそうです。渡辺

貞夫は先輩である秋吉敏子の推薦と奔走で留学できたようです。

 秋吉敏子は留学を終えた後予定していた帰国をせず、アメリ

カのジャズ界で活躍し結婚もしました。一方の渡辺貞夫は米国

留学したまま引き止められたのですが、米国に留まる道を選び

ませんでした。 

 このように、留学後の二人の行動はは対照的だったのですが、

「この対比が日本ジャズ界にとって天の配列は絶妙だった」と

記されています。



         藤井直和



posted by フジシステム at 11:24| ひとこと

2019年09月02日

本の紹介「上級国民/下級国民」

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 国際金融小説をお書きの小説家の橘玲氏の著作です。氏は小

説のほかに金融・人生設計に関する著作も多数上梓されている

そうです。今回初めて読ませて頂く著者です。

 痛ましい交通事故や登校途中の小学生を襲う事件が発生して

います。その報道のありようをみて、あの人は「上級国民」だ

から「さん」づけで報道されるが、あの男は「下級国民」だか

ら呼び捨てだとか、「上級国民/下級国民」という言葉を目に

するようになってきました。

 「上級国民」という表現は、2015年に起きた東京オリンピッ

クエンブレム騒動に端を発するとされているそうです。

 「上級国民」は「エリート」や「セレブ」「上層(上流)階

級」とはニュアンスが異なるということだと記されています。

 現代社会では、階級(クラス)とは移動できる、上層階級へ

の移動は「努力して実現する目標」だそうです。それに対して

「上級国民/下級国民」は、個人の努力がなんの役にも立たな

い冷酷な自然法則のようなものとしてとらえられているという

のです。いったん「下級国民」に落ちてしまえば「下級国民」

として老い、死んでいくしかない、幸福な人生を手に入れられ

るのは「上級国民」だけだとなるのだと書かれています。

 バブル崩壊後の平成の労働市場がどのように「下級国民」を

生み出したのかを説明されています。

 日本だけでなく世界中で「上級国民/下級国民」の分断が進

んでいる背景をお示しになっています。なぜ世界中で同じ現象

が起きているかというと、私たちが「知識社会化・リベラル化・

グローバル化」という巨大な潮流の中にいるからだとのことで

す。


         藤井直和


posted by フジシステム at 10:59| ひとこと

2019年08月28日

本の紹介「渥美清 わがフーテン人生」

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 渥美清さん主演の国民的映画シリーズ「男はつらいよ」の第

1作が公開されてちょうど50年に当たる8月27日、「祝!50周年 

寅さんファン感謝祭」が東京・新宿ピカデリーで開かれ、山田

洋次監督、倍賞千恵子さん、佐藤蛾次郎さんが出席したそうで

す。

 本書は「サンデー毎日」昭和51年、新年号から17回連載した

聞き書きを、一冊にまとめたものです。ちょうど第16作「男は

つらいよ 葛飾立志編」が封切られた、シリーズ人気絶頂のと

きなので、この本の文体は「寅さん口調」でまとめられていま

す。

 生前の人気絶頂期にも、渥美さんは自分のことや家族のこと

は外部に出さず、なにやら秘密めいたイメージの人だと思って

いました。しかし、この本では出生のことから「男はつらいよ」

誕生にいたるまでのことを、つぶさに、肺結核の手術や療養生

活まで赤裸々にお話しされています。

 浅草のフランス座で、谷幹一や関敬六と過ごした下積み時代

の思い出話しもあります。テキヤ稼業の原体験とでもいえる、

焼け跡の上野での出来事も、例の調子で面白おかしく、でも何

か物悲しく話されています。

 2019年の年末には、新作「男はつらいよ お帰り寅さん」が公

開されるという予定だそうです。

 そんな訳で、今年は楽しくなりそうです。



         藤井直和




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2019年08月27日

本の紹介「サブスプリクション」

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 実は、サブスクリプションは昔から存在していました。新聞

や雑誌の購読に始まり、賃貸住宅や公共料金、電車の定期券な

ど、月額料金を支払い、製品やサービスを享受するシステムで、

これらを「レガシー・サブスク」というのだそうです。

 サブスクは現在、アメリカを中心に日本でも次々と立ち上げ

られていて、「サブスク1.0」「サブスク2.0」「サブスク3.0」

の3段階に分けることが出来るのだそうです。

 このサブスクの背景には大きなトレンドが存在しているそう

で、「所有」から「利用」への変化だとのことです。

 「製品やサービスを販売して収益化する」というビジネスモ

デルが陳腐化してきたということだそうです。

 サブスクの具体例は、デジタル化と融合したものとして、コ

ンピュータソフト、音楽配信、動画・映像配信、書籍配信があ

ります。以前では考えられなかったもののサブスクとして、フ

レンチやラーメンなどの飲食、ファッション、美容・ヘルスケ

アなどがあり。今や、ベンツ、BMW、ポルシェ、レクサスな

ど、世界の高級車もサブスクされています。

 消費者の志向が所有から利用へと変化していることから、ビ

ジネスの常識も変わることになります。これまでの所有の時代

からこれからの利用の時代へという流れで見た場合、企業は、

従来の商品を売るという「物売り」から商品の利用を通して

「サービスを売る」という変革を求められることとなると記さ

れています。


         藤井直和


posted by フジシステム at 08:49| ひとこと

2019年08月26日

本の紹介「介護ヘルパーはデリヘルじゃない」

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 介護のホームヘルパーをされています藤原るか氏の著書です。

 藤原さんはヘルパー歴28年になるそうです。セクハラやパ

ワハラなどのハラスメントの問題はずっと以前からあったそう

です。しかし、世間で話題になることはなかったそうです。

 でも、世の中の流れは大きく変化して、アメリカのハリウッ

ド映画のプロデューサーによるセクハラ疑惑に端を発した運動

「#ME Too」が広がりました。その波は日本にも届き、

これまで我慢してきた女性やLGBTの人々が声を上げ始めて

います。それに呼応するかのように、ヘルパーさんが利用者や

その家族から暴言や性的な嫌がらせを受けていることが大きく

報じられるようになりました。

 本書は、藤原さんが過去に経験したハラスメントの事例を沢

山、具体的に記されています。その他にも、認知症の方やペッ

トを飼っている方の事例、介護保険の問題点にも及んでいます。

 ヘルパーさんの仕事の中身は、大きく「身体介護」と「生活

援助」に分かれています。生活援助には掃除や洗濯、調理など

が含まれます。ところが、厚労省は「生活援助は自立支援につ

ながらない」として、生活援助の時間を60分から45分に短縮し

ました。60分でも十分とはいえないのに、短縮されたら、ヘル

パーさんは時間に追われてしまい、専門職としての実力を発揮

することがむずかしくなっているとお書きです。


         藤井直和


posted by フジシステム at 16:47| ひとこと

2019年08月19日

本の紹介「おしゃれ嫌い」

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 甲南女子大学人間科学部文化社会学科教授の米澤 泉先生の

著作です。「私たちがユニクロを選ぶ本当の理由」という副題

をお付けになっています。

 この本は、企業としてのファーストリティリングやユニクロ

のブランディング戦略に迫り、成功の秘密を解き明かすわけで

はありません、そうではなく、なぜ私たちがユニクロを着るよ

うになったのかを問う。平成という時代とともに世に広まり、

まさに「国民服」として台頭してきたユニクロ。そして今、ラ

イフウエアーとして評価されるユニクロ。その意味合いは平成

の始まりと、終わりを迎えた現在とでは劇的に変化した。

 本書はユニクロの変化の過程を追い、ユニクロを通して、現

在における「服を着ること」「消費の変化」「欲望のあり方」

について明らかにすることを目指していると記されています。

 1984年に広島市中区にカジュアル衣料品店「ユニーク・

クロージング・ウェアハウス」が誕生しました。それが「ユニ

クロ」に名を改めたのが1988年のことだそうです。

 2017年には「エシカル(論理的)消費」ということが注

目されるようになりました。ユニクロがそのような社会の風潮

の変化を捉えたのか、ユニクロが風潮を作ったのか、「くらし」

が脚光を浴びることとなります。ユニクロが売ろうとしているの

は「くらし」である。ユニクロは服を通じて「くらし」を売って

いるのだ。だからこそ、ユニクロは今の私たちに不可欠なものと

なったのであると分析されています。


         藤井直和


posted by フジシステム at 12:13| ひとこと

2019年08月14日

本の紹介「『5G革命』の真実」

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 深田萌絵氏の著書です。氏はRevatron株式会社の代

表取締役社長でITビジネスアナリストです。

 5G通信を巡って、トランプ米大統領と中国大手通信事業者

ファーウェイが対立を深めています。テレビなどで「米中5G

覇権争い」などと、まるで「通信技術」が生む経済的利益の奪

い合いであるかのように報道しています。しかし、実態は全く

異なる次元の問題で、これは「諜報インフラ」をめぐる「グロー

バルな政治実質支配の覇権争い」なのだそうです。

 ファーウェイを潰さなければ民主主義の根幹である「言論の

自由」が危機に陥るというのです。

 5G通信に関して「これ一冊読めば、ザックリわかる」とい

うレベルの本がないことに気づき、5Gがこれまでの通信規格

と何が異なり、どこが目新しく、そのためになぜ国際政治が揺

らぐのかを簡単に解説する本を目指したとのことです。

 5G通信の大きな特徴とされるのが以下の3つだそうです。

 @ 超高速  A 超低遅延  B 多数同時接続

 これまでさほど重要視されなかった「超低遅延通信」という

技術が脚光を浴びています。データ伝送時に発生する時間的な

遅延が、人間が知覚できないほど小さくなって、IoE時代は

地球の全てが同調する。これはコンピュータ業界における長年

の課題であったそうです。

 5Gで全ての端末がリアルタイムに繋がることで、IoT、

AI(人工知能)、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、ク

ラウドの世界が広がり、新しい価値が生まれるということだそ

うです。



         藤井直和



posted by フジシステム at 09:16| ひとこと