2019年07月12日

本の紹介「未来の地図帳」

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 このブログでもご紹介しました「未来の年表」「未来の年表2」

をお書きになった河合雅司氏の新作です。

 今作は「年表」ではなく「地図帳」です。人口の減少の影響が

各地域にいつ頃、どのような形で降り注ぎ、日本列島がどのよう

に塗り替えられていくのか、その推移を内側から描き出そうとい

う試みです。誰も見たことのない「未来の地図帳」を作ろうとい

うことだと書かれています。氏の新シリーズの第1弾だそうです。

 平成を振り返ってみると、「少子化を傍観した時代」であった

と捉えていると記されています。

 人口減少は2段階で進むと予想されています。第1段階は2042

年までで、2043年以降が第2段階だそうです。

 2段階で進みこと以上に踏まえておかなければならないのが、

人口減少も少子高齢化も全国一律に進みわけではないという点だ

と。そして、47都道府県は維持できないと見立てておいでです。

 とりわけ人口の減り方が激しいのが関西圏であるとお書きです。

大阪府・京都府・兵庫県が17〜19%の減少率です。しかし、

滋賀県は10%程で少しは緩やかだそうです。

 都道府県の再編や国土軸が大きく変わる時代が来たとしても、

「地域の暮らし」が突然にして消えるわけではない。だが一方で、

人口激減化の日本で地域の暮らしを守ろうと思うならば、住民側

も価値観や意識を変える必要がある。人々が協力しながら、コン

パクトでスマートな社会を築いていくしかないと主張されていま

す。

         藤井直和


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2019年07月11日

本の紹介「AIvs教科書が読めない子どもたち」

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 数学者で国立情報学研究所教授でいらっしゃいます新井紀子

先生の著作です。

 AIが神になる、AIが人類を滅ぼす、シンギュラリティが

到来する、という、AI神話をことごとく否定されています。

 しかし、AIが人間の仕事をすべて奪ってしまうような未来

は来ないが、人間の仕事の多くがAIに代替される社会はすぐ

そこに迫っているとの認識です。

 新井先生を有名にしたことに「東ロボくん」プロジェクトが

あります。2011年に「ロボットは東大に入れるか」と名付けた

人工知能のプロジェクトが始まりました。

 このプロジェクトの本当の目的は、AIにはどこまでのこと

ができるようになって、どうしてもできないことは何かを解明

することだそうです。そして、AI時代が到来したときに、AI

に仕事を奪われないためには人間はどのような能力を持たなけ

ればならないかを明らかにすることだと記されています。

 もう一つ問題を提起されています。世界でトップレベルの学

力がある日本の中高生の「読解力」が危機的状況である、とい

うことです。人間の基礎的読解力を判定するために「RST」

というテストを試行錯誤のうえに開発されました。それは、教

科書と新聞の記述を問題文に利用されています。

 全国2万5千人を対象に実施した読解力調査でわかったこと

で主なものは次のとおりです。「中学校を卒業する段階で、約

3割が内容理解を伴わない表層的な読解もできない」「学力中

位の高校でも、半数以上が内容理解を要する読解はできない」。

 AIと共存する社会で、多くの人々がAIにできない仕事に

従事できるような能力を身につけるための教育の喫緊の最重要

課題は「中学校を卒業するまでに、中学校の教科書を読めるよ

うにすること」だと書かれています。
 

         藤井直和


posted by フジシステム at 10:48| ひとこと

2019年07月05日

本の紹介「新・失敗の本質」

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 公益財団法人モラロジー研究所研究員としてご活躍の山岡鉄

秀先生の著書です。オーストラリアで仕事をされています。

 オーストラリアのストラスフィールド市で中韓反日団体が仕

掛ける「慰安婦像設置」計画に遭遇。子供を持つ母親ら現地日

系人を率いてAJCNという団体を結成されました。その英語

力と交渉力で「コミュニティの平和と融和の大切さを」を説き、

非日系住民の支持を広げ、圧倒的劣勢を挽回。2015年8月、同市

での「慰安婦像設置」阻止に成功したという武勇伝の主人公で

もあります。

 「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」は、日本軍が大東亜

戦争でなぜ敗北したか、その失敗の原因を組織論的観点から分

析したロングセラーの本です。「失敗の本質」で述べられてい

る、日本の帝国陸海軍と、現在のビジネスや外交上の失敗の根

本は酷似していることがわかると、つまり、日本の文化、日本

人の気質に根差した失敗のパターンが存在するとのことです。

 筆者が本書で強調したいことは「島国の住民である日本人は

自分たちの文化の枠の中でしか物事を考えられない、考えよう

としない傾向が強く、そのことが度重なる失敗の主原因になっ

ているということ。枠を超えて考える習慣やスキルを身につけ

る教育が導入されないまま、今日に至っているのです。」と記

されています。

 不可逆的に進行するグローバル社会で生き残るための思考ツー

ルを提示されています。その一つが「グローバル時代の文化の

世界地図」です。これは、グローバル教育研究所理事長の渥美

育子さんが作成されたものだとのことです。それぞれの国や地

域の文化の違いを、わかりやすく地図で示されたものですが、

これを使って諸外国と日本の違いを説明されています。

 戦争、ビジネス、経済、外交の根底に共通して存在する日本

人の「失敗の本質」を探り、日本がさらにグローバル化する世

界で生き残るために必要なことを考えておいでです。


         藤井直和


posted by フジシステム at 16:25| ひとこと

2019年07月01日

本の紹介「アメリカはいかに日本を占領したか」

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 作家で近現代史、特に昭和史の専門家であります半藤一利先

生の著書です。半藤先生の本を紹介するのは暫くぶりですが、

もう6冊目になります。

 敗戦の日本を占領したのは連合国軍であります。連合国軍と

いっても大方はアメリカ軍です。そして、その責任者がダグラ

ス・マッカーサー元帥です。いまの日比谷の第一生命ビルにお

いた連合国軍総司令部(GHQ)にあって、占領下の日本に君

臨した「青い目の大君」であったと書かれています。日本に

「民主化」による「太平洋のスイス」を建設しようというのが

マッカーサーの独特の理想だったとのことです。

 マッカーサーは日本の占領にあたり、天皇をいかに劇的に利

用できるかを考えていたようで「天皇はアメリカ軍百万人に匹

敵する」と言ったようです。

 マッカーサーの着任後、9月27日に天皇はアメリカ大使館

に元帥をお訊ねになりました。天皇はモーニングの礼装であっ

たが、マッカーサーは略式の軍服でした。会談は40分間にお

よんだそうです。天皇陛下は会見のなかで、天皇自身が戦争責

任を引き受けるという決意を表明されたそうです。一身を犠牲

にして責任を負う覚悟で会見にのぞんだ天皇に、マッカーサー

が心をゆり動かされたことも、また確かのように思われると記

されています。

 陛下とマッカーサー元帥との会見はその後も行われ、11回

を数えたそうです。その会見のテーマは多岐にわたっており、

既述の天皇の戦争責任や東京裁判、食糧援助、新憲法の九条、

天皇の地方巡幸、沖縄問題、共産圏の脅威、講和問題などが話

し合われたようです。

 著者の半藤先生は「戦後日本の占領期間というのは、ある意

味では天皇とマッカーサーの合作ではなかったろうかと思われ

るところが若干あるわけで、そこに歴史を知ることのおもしろ

みもあり、楽しさもあると思います。」と述べられています。

 

         藤井直和



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2019年06月27日

本の紹介「日米地位協定」

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 山本章子先生の著書です。昭和54年、北海道のご出身です。

現在は沖縄在住で、琉球大学専任講師。専攻は国際政治史です。

 日本国内で在日米軍が事故を起こしたり、事件を起こすたび

に「日米地位協定」が問題としてあがってきます。日米地位協

定は、在日米軍の基地使用、行動範囲、米軍関係者の権利など

を保障したものです。日米地位協定は、在日米軍に幅広い行動

の自由を与えています。なぜそうなったか、その起源を敗戦後、

米軍の占領下に置かれた日本が1951年にサンフランシスコ講和

条約を締結する際、独立後も引き続き米軍の駐留と基地の使用

を認める日米安保条約と日米行政協定を結んだことにあるとの

ことです。

 その日米行政協定は、1960年の安保改定の時に日米地位協定

へと全面的に改定されましたが、基地の管理権や裁判管轄権、

捜査権については、日米行政協定の内容が日米地位協定へと実

質的に引き継がれているということです。

 おまけに「日米地位協定合意議事録」という、21世紀初頭

まで非公開だった「密約」があるそうです。これは、日米行政

協定と変わらずに米軍が基地外でも独自の判断で行動でき、米

軍の関係者や財産を守れる旨が定められいるそうです。

 日米地位協定は、条文ではなくこの合意議事録にもとづいて

運用されてきた、ここに最大の問題があると指摘されています。

         藤井直和



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2019年06月26日

本の紹介「人間の本性」

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 伊藤忠商事の社長・会長を歴任された後に、民間出身者とし

て初の中華人民共和国の全権大使を務められました丹羽宇一郎

氏の著作です。丹羽氏の本を紹介するのも5冊目になりました。

 本書のテーマは「人間の本性」です。人の思いや感情といっ

た心のあり方は、古代ギリシャの時代も、平安時代も、いまと

まったくといってよいほど変わりがないのではないかと記され

ています。人間というものが時代の移り変わりとともに賢くな

り、心が成長した形跡はどこにも見当たらないと。それこそが

「人間の本性」そのものが、ずっと変化していないからだろう

とのことです。

 人間は所詮、動物です。飢え死にしそうになったら、人の命

を奪ってでも食べ物を得ようとする本能をもっている。筆者は

それを「動物の血」と呼んでいると書かれています。

 本書は掴みどころが難しい「人間の本性」というものを、さ

まざまな断面から考察し、そんな人間といかに付き合い、生き

るべきかを「私の体験談を交えながら綴ってみる」と述べられ

ています。
 
 人は自分のためだけに生きるのではなく、他人を意識し、人

のために何かをする「利他の精神」があってこそ「人間」にな

るのだと思うと記され、死ぬ間際に多くの心残りを感じるよう

な生き方であれば、幸せな人生とはいえませんと、きっぱりお

書きです。その結果「最後の最後に、われわれの死に顔が幸不

幸を語ってくれることでしょう」。

 そのためには「今」という時間をよく見つめて。それによっ

て何気なく過ごしている「今」の大切さを、心から感じること

が大切ですと述べられています。
 

         藤井直和



posted by フジシステム at 16:08| ひとこと

2019年06月20日

本の紹介「今こそ、韓国に謝ろう そして、『さらば』と言おう」

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 ベストセラー作家の百田尚樹氏の著書です。本書は、2017年

に上梓された単行本を、大幅加筆、改題し、文庫版として発行

されたものです。

 日本と朝鮮半島の歴史の真実。とくに韓国が「日帝三十六年」

と呼び、日本が悪逆非道の限りを尽くしたと喧伝する日韓併合

時代の史実を余すところなく書こうとした本だと記されていま

す。

 「日本が日韓併合以降に、朝鮮全土と朝鮮人に対して、どれ

ほど非道な「お節介」をしてきたかを具体的に述べる」と皮肉

たっぷりに書かれています。

 1905年に日韓協約によって朝鮮を保護国とした当時、朝鮮半

島には小学校といえるものは40校しかなかったが、1943年ま

でに4271校の小学校が、日本の手によって開校した事実を

皮切りに、山への植林、河川の護岸工事、鉄道の敷設、農業国

から工業国への転換と、「お節介」を日本はやいてきたと書か

れています。

 勿論、慰安婦問題に関しても多くのページを使い主張をされ

ています。

 韓国は現在も日本への内政干渉を続けていますと書かれ、閣

僚の靖国参拝に反対し、教科書の内容に口を出し、自衛隊撤廃

を謳い、安保法制に反対する、といった具合だと。これを民間

人だけでなく、れっきとした韓国政府が主張していると。

 なぜそのようなことをするのか、筆者はある時、はたと気付

いたのだそうです。それを興味深く語っておいでです。 



         藤井直和



posted by フジシステム at 17:38| ひとこと