2019年03月23日

本の紹介「日本共産党の正体」

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 福冨健一氏の著書です。近現代史の研究家の氏は自民党政務

調査会部長代理等を歴任されています。政権の近くで歴史を内

側から観察された方です。

 日本では、思想・信条の自由は常に正しいと信じ込んでいる

から、批判の対象とすることを忘れ、共産主義は定着していま

す。日本に共産党が定着している背景に、共産主義について多

くの人々が無関心なことや共産主義や共産党から目を背け、共

産党批判をためらうようになってしまったと記されています。

 本書は、世界では共産主義にどう対処したのか、共産主義と

は何か、なぜ危険なのか、共産党と自民党の党組織はどう違う

のか、日本ではなぜ共産主義が浸透したのか、日本共産党綱領

の要点は何かなどを解説された本です。

 戦前は共産党は非合法政党であったので議席はなかったので

すが、今までの議席の推移を見ると、土井ブームや民主党ブー

ムのように野党ブームが巻き起こると共産党は伸び悩み、野党

が頼りないと逆に共産党は議席を伸ばす傾向だそうです。

 政党の憲法ともいえるものが綱領です。日本共産党も創立以

来何度もこの綱領を書き換えています。その変遷の歴史を遡っ

ておいでです。五一年綱領によって日本共産党は、平和革命路

線から暴力革命路線への転換を行い、ソ連の朝鮮戦争での勝利

のために武装蜂起も辞さない団体となりました。革命の方法論

は、GHQ占領下では「平和革命論」、五一年綱領では「暴力

革命論」六一年綱領以降は「敵の出方論」と変化していったそ

うです。

 現在の日本共産党綱領の〇四年綱領を分析されています。こ

の中で、日米安保条約の破棄、米軍基地の撤退、自衛隊の解消、

民主共和制の実現、大企業の民主的統制を謳っています。

 これらの共産党綱領の掲げる内容を多くの国民が知れば、天

皇制の廃止、自衛隊の解消、資本主義の否定などは、日本の歴

史や文化、価値観などと断絶していて、「国家の分断」を招き、

多くの国民が戸惑うことになるでしょうと書かれています。

         藤井直和


posted by フジシステム at 17:15| ひとこと

2019年03月20日

本の紹介「平成の教訓」

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 竹中平蔵先生の著作です。平成の御代が終わりを告げる今年、

「平成」時代の日本経済はどのように推移し、またどのような

特質を有していたのだろうか。経済実態や政策に焦点を当てた

場合、平成から私たちは何を学び、何を考えるべきなのかを問

う内容です。

 平成という時代を「失われた30年」という一言で総括して

しまってよいだろうかと疑問を投げかけておいでです。

 平成時代を五つの時期に分けて考察されています。平成の時

代を経済面から分析・総括して強調されているのが「失われた

30年」というのは誤りだと。平成の30年は、正しくは「ま

だらな30年」であったと記されています。

 しかし、失われたものも多かったのも真実だとされています。

平成に失われたものの第一に「日本経済の力強い成長」を挙げ

ておいでです。また、平成時代の「デフレ」についても総括を

されています。

 政治家としての感性から、平成時代にとられた政策を分析さ

れて、成長を鈍らせ、改革を阻んだ「10の愚策」として検証

されています。

 先生が本書でもっとも強調されたのは、平成の30年間の日

本経済には、良い面と悪い面が見事なほどに共存していた、と

いう点です。決して失われた30年ではなく、まだらな30年

であったこと。政策面では改革と愚策が共存していたこと。こ

の二点を冷静に認識する必要がある。極端な悲観や楽観に基づ

く単純なレッテル貼りは、平成の教訓を次の時代に生かせなく

するだけだと書かれています。


         藤井直和


posted by フジシステム at 14:08| ひとこと

2019年03月12日

本の紹介「光の量子コンピューター」

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 物理学者の古澤 明先生の著作です。先生は1961年のお生

まれですので、還暦前の仕事盛りのお年です。現在は東京大学大

学院工学系研究科教授でいらっしゃいます。

 量子力学のメリットを最大限に生かしていこうという動きの最

たるものが「量子コンピューター」であるのだそうです。

 「量子力学の一番むずかしいところは、人間の直感に反するこ

とだ。直感に反するルールのもとですべてが起こっていると考え

直してほしい。いや、むしろ人間の直感を変えなければならない

と言ってもよいだろう」と、この本はこのような難解な話から始

まっています。

 現在、取りざたされている量子コンピュータは、「量子アニー

リングマシン」と呼ばれるもので、従来から研究開発が進められ

てきた汎用型の量子コンピュータとはまったく異なる動作原理で

動いているとのことです。

 先生が1996年から研究開発を進めてきたのが「光」を利用

する量子テレポーテーション、そして、それを使って実現する汎

用型の量子コンピューターだそうです。そして、この光を使う量

子コンピュータが、今、最も実用化に近い段階にあると確信して

いると書かれています。
 


         藤井直和



posted by フジシステム at 15:42| ひとこと

2019年03月11日

本の紹介「『日本国紀』の副読本」

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 先日ご紹介しました「日本国紀」の著者の百田尚樹氏と編集

をされた、ジャーナリストの有本香さんの対談本です。

 本書では「日本国紀」とは何なのか。「私たちの歴史」とは

何か。それを明らかにしていきたいと記されています。

 この対談は、お二人の「メイキング日本国紀」ですが、内容

はそれに留まらず、本編の中には書かれていなかった内容もふ

んだんに入っています。特に「教科書問題」には議論が白熱し

ています。著者の百田氏は、自身が「日本国紀」を書こうと思っ

た理由の一つが、こんな歴史教育を放置していては、未来の日

本を担う子供たちが、祖国を愛せない人間になってしまうこと

だと感じたからだと語っておいでです。

 ただ、日本人が誇りを持てる、日本に生まれたことに喜びを

感じられるような「通史」がなぜないのかと考えたとき、自分

なりのやり方で困難に挑んでみようと思ったとのことです。

 行き過ぎて、事実すら歪めるほどの戦後「自虐史観教育」で

あり、それを良しとして、日本人のアイデンティティの模索を

押しとどめてきたマスメディアや知識人を痛烈に批判されてい

ます。

 なぜ日本に自虐史観が浸透したかは、GHQの占領以降に子

供たちが教育を受けてしまったからだとのことです。実際に日

本中を自虐思想が覆うのは、「GHQの子供たち」が成人して

社会に進出するようになってからなのだそうです。

 本書では「日本国紀」の舞台裏と、学校で教えられる「歴史」

と「日本国紀」との違いを解説することで、今の日本の危機を

明らかにしました、と有本さんがあとがきにお書きです。

 
        藤井直和


posted by フジシステム at 17:49| ひとこと

2019年03月09日

本の紹介「ひとりの覚悟」

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 宗教学者の山折哲雄先生の本です。先生は現在、満の87歳

におなりです。先生は「後期高齢者」といわれる75歳以上に

なったら、「人生の成熟期」と見て、常に死を想定して生きる

ことが大切だとお考えです。

 誰もが安楽に死を迎えたいと願っているのに、それが思うに

任せない。そこで先生は、本書において「死の規制緩和=安楽

死解禁」を提言されています。

 「死生観」や「生きることは死ぬことである」という言葉が

あるように、われわれ日本人は「生」と「死」を表裏一体にと

らえてきたと記されています。

 90歳を過ぎたら、自分の死に方を選ぶことは当然の権利で

あり、義務であるとのお考えです。そのことを踏まえて3つの

提言をされています。

 1.90歳以上の「安楽死」を解禁すること。
 
 2.「死の定義」を変えること。

 3.参議院を廃止し、「老議員」を創設すること。

 われわれ現代人は、いま一度「死に向き合う」「死を正面か

ら考える」という心の余裕を回復させなければなりません、と。

そのために「日本人の心のあり方」を深く掘り下げられていま

す。

 死にゆく人に最後に安心感を与えられるのは、哲学的な宗教

の言葉ではなく、阿弥陀仏来迎のようなシンプルで分かり易い

イメージなのかもしれません。今の時代だからこそ、「実感」

「共感」というあり方。そしてむしろ親鸞から源信へと目を転

ずる逆の流れがこれからの仏教界に求められているように思う

と書かれています。


         藤井直和


posted by フジシステム at 13:27| ひとこと

2019年02月28日

本の紹介「日本国紀」

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 数々のヒット作を上梓されています、当代一のストーリーテラー

といわれています百田尚樹氏の大作です。

 日本の歴史の本「通史」の本に果敢に挑戦されたものです。

筆者の人気のせいでしょうか、この本は発売前から異例の人気

でした。アマゾンの予約が一か月前から開始されたそうですが、

その日のうちにアマゾンのランキングで「本」全体の総合トッ

プなったそうです。その後も、18日間連続アマゾンの総合トッ

プを記録したそうです。

 文体は簡便ですし、物語り的な要素も随所にあり、大変読みや

すくまとめられていると思います。筆者の思想や考え方を知って

いる読者にとっては小気味よく響くところも沢山あるでしょう。

 筆者が巻末の謝辞に記されています「今、私が何よりも深い

感謝を捧げたいと思うのは、わが祖国『日本』と、この国に生

き、現代の私たちにまで生を繋いでくれた遠い父祖たちです」と。

 この本は「日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はない」と

強く思わせてくれる1冊です。


         藤井直和


posted by フジシステム at 11:41| ひとこと

2019年02月26日

本の紹介「データが語る日本財政の未来」

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 弁護士の明石順平先生の著作です。本のタイトルどおり、各

種の資料やデータを基にまとめられています。本書のなかに掲

載されておいでの図表やグラフは全部で158個にも及んでい

ます。

 何でも知ってるモノシリ生物のモノシリンが、太郎君に解説

するという対話形式でこの本は出来上がっています。

 本書は日本財政の過去・現在・未来について書いた本ですと

筆者は記されています。日本が世界最悪レベルの借金大国であ

るということに対して、「日本は資産がたくさんあるから大丈

夫」「日本政府の借金の9割以上は日本人からのものだから大

丈夫」「日本は世界最大の債権国だから大丈夫」などと言い、

「日本は財政破綻しない。日本財政が危機なんていうのウソ、

どんどん借金して経済回復させろ」と主張する財政楽観論者の

主張を真正面からデータを酷使して論破されています。

 「私がこの本に書いた悲惨な未来」と表現されていますが、

この国は、完全に末期症状だと断じておいでです。今までに、

政府が行ってきた「先送りのツケ」をそう遠くない未来に払う

はめになるとの説です。

 筆者が過去に上梓された著作に「アベノミクスによろしく」

があるそうですが、その本と本書を合わせた論評の中で、真に

注目されるのは通貨崩壊の後のことかもしれないと、そして

「その時はもう手遅れなのですが」とお書きになっています。



         藤井直和



posted by フジシステム at 13:17| ひとこと